近頃加齢のせいでしょうかパソコンを使っていると、文字がぼやけたり疲れからか目がゴロゴロするような感じがします。そんな症状はドライアイの可能性が高いそうです。
また、放置すると重症化するみたいです。できるだけ重症化は避けたいですね。そんな人のためにドライアイ研究会が提案するチェック方法やセルフケアを紹介しましょう。
ドライアイ研究会とは
ドライアイ研究会は、近年、臨床の現場で増加しているドライアイに対する研究の推進と診療の向上を目的として1990年に発足しました。1995年には「ドライアイの定義と診断基準」を発表し、その後2度の改定を経て、2016年に「ドライアイの定義と診断基準(2016年版)」を発表し、現在に至っています。その間、定期的な学術集会や講習会の開催しながら、2019年には「ドライアイ診療ガイドライン」を日本眼科学会誌(第123巻 第5号)に発表するなど、大きく活動範囲を広げてまいりました。また、世界のドライアイを専門とする眼科医との国際会議を通じて、臨床に即した世界のドライアイの定義の作成にも取り組んできています。
ドライアイ研究会は、今後も一層研究を深め、社会へのドライアイの正しい情報の発信に取り組んでまいります。 ドライアイ研究会
ドライアイのチェック方法と症状
「ドライアイ研究会」が提案するドライアイのチェック方法です。10秒間、まばたきを我慢できますか?我慢できない人は、ドライアイの可能性が高いそうです。
目の疲れや乾き、ゴロゴロした不快感、かすみ目など、さまざまな症状が現れるドライアイですが、実は加齢が大きな要因で、放置すれば視力低下や肩こり、頭痛などの不調を招きかねないといわれていて、専門家はセルフケアや病院での検査をすすめています。
ドライアイ研究会の世話人代表で京都府立医科大病院教授(眼科)の横井則彦さんは、このドライアイは「加齢による涙の量と質の変化が影響する」すると言われ、健康な目は涙の層が表面にとどまり保護するが、ドライアイは涙の層が崩れて目の表面が空気にさらされ、傷んだ状態になっているそうです。また高齢になるほど涙の量、涙を目の表面に定着させる油脂などは減少するんだそうです。高齢になるとドライアイになりやすいということですね。
横井さんは「特にリスクが高いのは、年を重ねた女性」と指摘されていて、その理由として、「涙は、涙腺が分泌する水分などに加え、まぶたの「マイボーム線」分泌する油脂を含むが、涙腺やマイボーム線の働きは男性ホルモンによって活性化する。女性は男性ホルモンが少なく、さらに更年期で減少するため、目の乾きが慢性化しやすい」と説明されています。
「3コン」とドライアイのセルフケア
横井さんは改善方法として、まず取り組みたいのは生活習慣の見直しが必要だと言われています。その中でも環境的要因を「三つのコン」と呼び、パソコン、エアコン、コンタクトレンズの適切な使用を勧められています。
最近は新型コロナウイルスの影響で、外出自粛中にパソコンやスマートフォンに長時間見入る習慣ができたシニア層も多いといわれ「目が疲れたら、すぐに画面から離れて休んで」と横井さんは言う。
またエアコンの風を避ける座席選びや、保湿効果がある市販のドライアイ対策用眼鏡の着用も有効だそうです。
セルフケアの代表格は上手に市販の目薬を使うこと。ドラッグストアでは近年、ドライアイ対策用の目薬が数多く並んでいて、ドライアイに特化した目薬が5種類あり、ごま油を配合した高級仕様や、とろみがあるもの、清涼感があるタイプなど、多種多様の差し心地があるそうです。
コンタクトレンズ(以下CL)にはご存じの通り、ハードレンズ(以下HCL)とソフトレンズ(以下SCL)があります。HCLは水を吸いませんのでCLと角膜の間の涙液は乾燥しません。ただCLの表面は乾きます。SCLの場合は、水を含む性質があるために眼表面の涙液を吸収して、さらにレンズの表面から蒸発してしまうので、目が乾燥しやすくなります。ドライアイの方がCLを装用すると眼障害が増加しますので、注意が必要です。参天製薬
大手のロート製薬の担当者によると、「痛み」「つらい」など、箱に書かれた言葉が自分の症状に近い物を選んで」とアドバイスしています。一方で、目薬は必要以上に差しすぎると涙を薄めてしまい、症状を悪化させる可能性もあるそうで、「用法容量は厳守して」とも言っています。
目元を清潔に保ち、温めたりマッサージしたりするケアも効果的。ロート製薬では目元の化粧、汚れを洗うアイケアシャンプーも手掛けているそうです。
頑固な症状は受診すること
セルフケアを施しても頑固な症状が続く場合は、眼科で受診。感染症予防のため通院を避ける人も増えているが、目は直接検査しないと判断できない複雑な病気が多い。横井さんは「医師が処方する目薬はこの10年でかなり発達した。治療を受ければ改善する可能性は高い」と話されています。
最期に
今回はドライアイの話でしたが、日常の生活や仕事で必要としているパソコンやコンタクトレンズは切り離せないものです。重症化しないように日頃のセルフケアの取り組みが重要です。
コンタクトレンズについては、ドライアイに適正なものをよく調べて使用することが必要ですね。頑固な症状は専門医の受診を早めに行い重症化しないようにしましょう。